第十四章 太陽と月

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「三時間だそうだ」 「……」  湯沢が頷いたのが分かった。 「弘武、有明君は無事か?」 「……無事です。熱も下がりました」  今、別の熱が出ている。  真実を言ってもいいものだろうか。 芝生を見ていると、春留が俺を見上げていた。 「印貢、泣きそうな顔をしているけど、本当に有明君は無事なの?」  秋里に心配されてしまった。すると、春留が鳴いていた。 「え、湯沢に間違ってホーの媚薬を渡してしまったの?それで、熱が下がったけど、 熱い夜の状態……」  いつから、春留と秋里は会話できるようになっていたのだ。 俺が慌てて秋里を見ると、征響と倉吉が長い溜息をついていた。
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