第1章 エデン

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「何が?」 「可愛らしい薔薇が。君に凄く似合うよ。天使の薔薇園に本当に天使がいるみたいだ」 「そう言うの苦手だって言ったでしょ」 僕は頬を熱くして、敬一君から顔を背けた。 「いいじゃない。恥ずかしがり屋なんだね。こっち向いてよ」 敬一君が静かに言うと、カメラのシャッター音がした。 「カメラ? 何でそんなモノ……」 僕が振り向くと敬一君がデジカメを持っていて、それは僕に向けられていた。 「カメラが趣味なんだ。笑って」 何度もシャッターの切られる音がする。 「上手く笑えないよ……」 顔を熱くして、僕はまた、顔を背けた。 「天使の名前の付いた薔薇は何種類あるの?」 僕は無視して訪ねる。 「8種類だよ。ラファエル、セラフィム、エアリエル、ミカエル、アブデル、ガブリエル、ウリエル、ルシファー」 「堕天使が混じってるんだね」 「全部見たい?」 「うん。見たい」
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