第1章 エデン

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「そうだね。君の言う通りだ」 敬一君のお父さんが僕をじっと見つめて言った。 さっきからよく敬一君のお父さんと目が合うと思っていたけれど、たまたま目が合うんじゃなくて、敬一君のお父さんが僕をずっと凝視していたんだと気付く。 何で僕を見ているんだろう? 「ねぇ、葵君、夕食が出来るまで時間があるから、スパに行かないか?」 敬一君が明るい声で言った。 「スパなんてあるの?」 「凄いのがあるよ!」 「へぇ……」 やはり敬一君のお父さんがずっと僕を見ている。 気のせいなんかじゃない。彼に見つめられるのは気持ちのいいものではなかった。 敬一君が父親に笑顔で言う。 「お父様も一緒に行きましょう」 えっ! 勝手に誘わないで欲しい!! それは嫌だ!! こんな視線を裸で浴びたくない!! 「私は遠慮しておくよ。子供同士の方が楽しいだろう。2人で行きなさい」 敬一君のお父さんのその言葉にホッとした。 「そうですか」 敬一君の声は残念そうだ。 「私は研究があるので、これで失礼するよ。葵君、つかの間、この島を楽しんでいってくれ」 そう言うと敬一君のお父さんは立ち上がって、応接室を出ていった。
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