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「ねぇ、敬一君、君のお父さんが僕に最初に話しかけた言葉覚えてるよね?」
「え、何て言ったっけ」
「君が敬一の友達の小林葵君か。話はかねがね聞いてるよ。って」
「それがどうかした?」
「話はかねがねって、言っていたよね。電話もパソコンも使えない、こんな環境で暮らしていて、君のお父さんは東京にいる君と、どうやって僕の話をしていたの?」
「それは……」
「どういう事?」
「お父様も、以前君の出演した番組を見ていて、君が世間の話題になっていた事を知っていた。そう言う意味だと思う」
「テレビ観られるの?」
「衛星経由で首都圏向けの番組を視聴出来るんだ」
「ふうん」
「ちなみに電気はガスタービン発電と重油を使ったディーゼル発電でまかなっているよ」
「そっか。別に問題ないのかな」
僕はチラッと敬一君を見た。
敬一君は僕と目が合うとニッコリと笑って、早速スパに行こうと、僕を急かした。
★★★
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