第1章 エデン

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「よし、僕だって見つけてやる! あれ?!」 僕は驚いた。よく見ると全てのクローバーが四つ葉だったのだ。 「どういう事? 四つ葉のクローバーは、まれに1万分の1の確率で、突然変異体として、四つ葉のクローバーになるんだよ? こんなに広大な四つ葉のクローバー畑なんて聞いた事がないよ」 「この島のクローバーは全て遺伝子操作で四つ葉にした物なんだ」 「凄い! 特許が取れるんじゃない?」 「この四つ葉のクローバー畑のアイデアは島の設計者のものなんだけど、実際に遺伝子操作で現実のモノにしたのは、僕のお父様なんだよ」 「へぇー! 研究者なのかな?」 「遺伝学の博士だよ」 「へぇ、凄いんだね」 「うん」 敬一君は誇らしげに微笑んだ。 「ねぇ、ところで、この小屋は何?」 船着き場の近くに建っている、茶色の薄そうな板で作った木造平屋建ての小屋が、何となくそこだけ殺風景な感じで、僕は気になって訊ねた。 「花火倉庫だよ」 「花火?」 「結婚式で上げる花火を置いてあるんだ。」 「誰と誰が結婚するの?」 「僕のお父様と、僕の知り合いだよ」 「へぇ! 君のお父さんが! 式はいつ?」 「来週の今日」 「すぐだね! おめでとう」 「うん。ありがとう」
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