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男子はともかく女子は二手に分かれるのに、少し面倒だった。力加減を考えるとどうしても私と百々歌は離れなきゃならない。
百々歌には申し訳ないけど、これから何が待ち受けているかわからないのに、私情を挟むわけにはいかない。
あとは、満里と真帆。
ぶっちゃけ個人的に満里と一緒がいい。真帆はちょっとなぁー……。
でも、百々歌は満里には良い顔見せてるし、面倒見もいいし……。
うーんと考えていると、真帆が百々歌に声をかけた。
「百々歌ちゃん、私と組もうよ」
まさかのことで、私は目を見開く。
この人はいつのまにか、私より遥かに大人になってる。
私のことを考えてくれたのがよくわかった。
百々歌には中学時代のことは話していない。だから、真帆さえ良ければ、百々歌をお願いしたい。
百々歌もニコリと笑って頷いた。
「よろしくお願いします!」
こうして、女子は二組に分かれた。
あと問題は男子だ。
男子もちょうど二手に分かれたところだった。
賢さと力を考えて、南条、斉賀、畑岡の組と加藤、木村、照屋の組に分けれた。
「じゃあ、お前らは中野たちを宜しく」
木村が押し付けるように言った。
何故、木村がそう言ったのか理由はわかってる。加藤と満里に気を遣ったんだ。
私と満里も素直に従った。
こちらとしても気まずいのは嫌だ。
「あ、宜しくお願いします」
頭を下げる百々歌に、男子3人はニコリと笑って頷いた。
まあ、百々歌なら誰とでも何とかなるか。
ちょっと心配しつつも、二手に分かれて探し始めた。
新たな『Black House』でのゲームが始まりを告げた。
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