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歩きながら知春が言っていた邪魔を思い出した。
どういったものかはわからないけど、爆弾を仕掛けられているんだから、ゲームをやるしかない。
「中野さん、あの3人と何かあったの?」
歩いていると余計なことを斉賀が聞いてきた。
さっきので勘づかれたっぽい。
「何もないけど?」
すっとぼけるしかない。
わざと目をぱちくりさせる。
「そう? なら良いんだけど」
それ以上、斉賀は何も聞かなかった。満里と顔を見合わせて、ホッとする。
なんか、あれだ。居心地いいな。
居心地いいのは、この3人相手だと気が置けないのか。
そういえば、高校の時もポイファイの話で斉賀と畑岡と盛り上がってたもんね。実は南条もゲームはやってるから、何気に話したりしてたんだよね。
そう思うと、向こうの加藤たちとの共通点は相場しかない。相場が共通点って変な話だけど。
あちらの3人と話すときは必ず間に相場がいたからな……。
「向こう気になる?」
満里が顔を覗かせてきた。
「まあね」
そんな気を使うところに百々歌を預けたのは気掛かりだった。
「百々歌ちゃんなら大丈夫でしょ。良い子だし」
一瞬で良い子だと思わせる辺り、百々歌の周りを惹き付ける力に感心する。
「さて、端の部屋からで良いか? それとも下行く?」
畑岡に聞かれた。
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