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ちょっとビビってたけど、これ中に入ってんのってもしかして……。
「いや、ちょっと重かったから、何入ってんのかなって」
『いや、ちょっと重かったから、何入ってんのかなって』
うざいほど真似してきて、イラッとする。
満里は少し面白そうだ。
私は、中に入っているものを確認するために、ぬいぐるみの底辺にあった蓋を開いた。
中に電池が入っている。その横にスイッチがあった。
見事にスイッチがONになっていた。それをOFFに切り替える。
「切っちゃったの？」
「そりゃ切るでしょ。うざいし」
「なんだ。香夜が二人いるみたいで面白かったのに」
「面白いとか言ってる場合じゃないでしょ」
ちょっと怒り口調で言うと、満里は舌をちょっと出してから、ソファーを再び調べ始めた。
私はため息をつくと。この録音付きぬいぐるみを元の位置に戻し、人形に手を伸ばす。
正直、この人形が一番怪しい。
フランス人形だよ……。瞳蒼くて、とても綺麗。
髪もブロンズっていうんだっけ？ 向こうの人はこの人形みたいに綺麗な人多いよね。
人形の背中を見る。
洋服を着ているんだけど、背中は洋服を着せるためにマジックテープでとめられていた。
私はそれを剥がした。フランス人形の背中が露になる。
なんかやっちゃいけないことしてる気分だ。
しかも特に背中に何もなかった。
結局、こんなにビビっといて収穫なし。
ベッドやソファー、机にも何もなかったみたいだ。
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