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「次行こうか」 畑岡の言葉にみんな頷く。 そして、部屋を出ようとドアに向かうんだけど、なんだかドアに違和感があった。 ドアノブに手をかけようとしたところで気づいた。 ドアノブが……ない。 「え、どうやって出るの?」 「これはしくったな」 満里が不安の声を上げると、南条が呟いた。 みんなもう何が起こったか理解できている。 宮城野知春の邪魔が入ったのだ。ドアに何か仕掛けられているなんて、誰も思っていないことだった。 斉賀が試しに、ドアを押してみた。 全くピクリともしない。 今度は南条と畑岡と3人で爪を使って、ドアを引こうとするけど、どうにもならなかった。 つまり、外からドアノブを捻らないと開かない仕組みになってるってことだ。 ドアの隙間を見れば、突起物がドアを閉めているのがわかる。捻ると引っ込むのがわかってるのに、ドアノブがないから何もできない。 すごくもどかしい。 出られなくなった焦りもあるのか、ドキドキしている。 ドアにこんな焦らされると思わなかった。 「加藤たちを大声出して呼ぶか?」 「いや、今、一階にいるんだから、届かないんじゃない?」 南条の提案に疑問を持った。大声を出すのはいいけど、今、この屋敷の真反対にいる彼らが気づいてくれるだろうか。 そう思って言うと、南条はニヤリと笑った。
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