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「お前ら、あっさり罠に嵌まってんなよ」 木村も心配しつつ、そんな風に茶化してきた。 私たちはドアの構造を教える。他の部屋もそうなってるかもしれないから、十分に気を付けないといけない。 外に出て、お互いに収穫がなかったことを伝え合うと、また向こうのグループは一階へ、私たちは二階の隣の部屋に移動した。 今度はちゃんとドアノブがあって安心する。 でも、自動で鍵が掛かったり、面倒なことになったりするのはごめんだと思って、部屋にあった椅子をストッパーにしてドアを開けっぱなしにした。 部屋の作りは、ドア以外同じ。 あとは、ぬいぐるみと人形がなかった。代わりにワードローブとチェストが置いてある。 誰の洋服が入っているかと言えば、知春のしかありえない。 下着が入っていたら嫌だと男子たちは拒否。 結局、この洋服ダンスたちも私が見ることになった。 まあね。下着が入っていたら嫌だよね。私も嫌なんだけど……。 まずはチェストから見ていくことにした。上の小さい引き出しから見る。 何も入ってない……。 なんでだろ? そう思いながら、全部開ける。 一番下の引き出しにだけ、物が入っていた。それは、新聞の切りぬきだった。何枚も入っている。 なんの記事か気になって、読んでみた。
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