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曲が停まって皆、安堵の息を漏らす。
ただ、私は安堵できずにいた。
私が何もしていないのに、勝手に音が流れた理由を察する。
気づかなかったけど、コンポを置いたテーブルの下に何かいるのだ。
ごくりと息を飲んだ。
人だ。
人がいる。
私は数歩後退した。テーブルの下にいる覆面を被った人物がキョロキョロしている。
そして、私を見た。
目があっちゃった……。
心臓は破裂寸前。恐怖が先行して、何も声を出せない。
覆面で口も隠れているから誰かわからないけど、ちょっとニヤリと笑っているようにも見える。
見も毛もよだつとは、このことを言うのだろう。
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