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「やったら、本当に宮城野に会えんだろうな?」 いつも男性にしては高い彼の声は、低かった。 いつそんな条件を付けたんだろう。 「約束を取り付けたのか」 「ああ。そこにいる奴らと交渉してな」 「……良いだろう。会わせてやる」 加藤が上手く交渉したのだろうか。 木村の後ろにいる加藤は不安げに木村を見つめていた。 木村はその言葉を聞くと、ゆっくりと震えながらこめかみに銃口をつけた。 つけた瞬間にビクッと体を揺らす。 周りからはわからないだろうけど、私は、今さっき体験したばかりだからわかる。 銃口を充てるとカチャッと頭に響く。 それで驚いてしまったのだと思う。 私も満里も両手を握り、祈りのポーズをした。 木村がどうか無事でいますように。 そう願わずにはいられない。祈りのポーズをしないまでも、それは全員が思っていた。加藤以外のメンバーの顔は見えないけど、加藤も拳を握っている。 緊張感はとっくに頂点を達していた。 木村が引き金を引かなきゃいいとさえ思った。
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