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一応、全員で部屋に戻った。『Black House』の癖か、自然とサークルを作って座ってる。
驚いたことにもう外は真っ暗。
いつの間にそんな時間が経ったんだろう。もう19時を回ってる。
私たちはさっきの衝撃から、何も話せないでいた。
放心状態と言った方がしっくり来るかもしれない。
だって、もしあれで木村が失敗してたかと思うと……。鳥肌たって仕方がない。
本当に木村が無事でよかった……。
「おい、中野」
そんな木村が私に話しかけてきた。
私は、引きつった。気まずい。
木村は私がクジを引いたことを知ってるはずだ。
木村が無事で安心してたけど、そんなこと思ってる場合じゃない。謝らなきゃ!
私は、バッと立ち上がった。
「ごめん!!」
頭を下げる。部屋はシーンと静かになった。
木村は私をまじまじと見つめると、そっぽを向く。
「ちげぇよ。謝れってことじゃねぇ……」
「え?」
「だから、なんで中野が謝んだよ」
「だって、クジ引いたの私だし……。え、もしかして知らなかった?」
「知っとるわ!」
うわぁ。初めてこんな木村と喋ったかもしんない。
木村のツッコミなんて初めてみたよ。
加藤は木村の隣でクックッとのどを鳴らしてる。え、そんな面白かった?
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