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その言葉で、我にかえった青年は状況を理解できなかった。
今まで青年がナイフを突き立てていたのは同じバイトの後輩。
あの長身の男だった。
髪の長い女なんてどこにもいない。
青年「う、嘘だ、、、そんな、だってさっき女が!」
バシャッ
青年の体にもたれ掛かるように支えられていた長身の男は、大量の血溜まりに倒れた。
青年「う、、、うわ、、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
(みんな殺しちゃうって話だ)
青年の脳裏にまたあの初老の男の台詞が頭をよぎる。
青年「あ、、あ、、あぁぁぁぁ!!!!!!」
全てわかってしまった青年はもう何も考えられなくなっていた。
そこへ駆けつけた警察が青年を羽交い締めにし、手錠をかけた。
青年「おんな、、、おんなが、、、俺は、、」
警察官1「なに言ってんだこいつ。」
警察官2「あぁ、これもまた同じ事件だな、これで5件目だ。みんな犯人が、「女が女が!」って言ってやがる。」
青年が警察に連れていかれるところをあの初老の男が言い表せないような不気味な笑みで笑っていた。
初老の男「だれも、見た人が殺されるとは言ってなかったんだけどねぇ、寄り道はしないほうがいいよぉ。」
第二話 帰路の領域 完
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