味覚の領域

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翌日 男「おはよう諸君。今日は大事な日だ。ミシュランガイドの審査員、ブックマン達がここにやってくる。いつも以上に全力を出し!俺の店を三つ星レストランにするんだ!わかったか!?」 スタッフ「はい!」 朝礼を終え仕込みに入ろうとした男はふと裏口が少し開いているのに気付いた。 男(なんだ?だれか居るのか?) 男は不審に思い、裏口から外に出て辺りを見回した。 そこにはあのときの初老の男が立っていた。 男「あ、あんたは!!」 初老の男「どうも、こんにちは。」 男「やぁーどうもどうも!その節はホントにありがとうございました!あなたのおかげでここまでこれましたよ。」 初老の男「そうですか、しかし、私の忠告は無視しているようですね?、、、やり過ぎは良くない。前のオーナーも解任してしまったそうじゃないですか、あまり、人の事を考えずに自分勝手にやっていると、しっぺ返しがきますよ?」 男「なんだと!?あんたになんかなんも言われたくないね!あんたのおかげで俺はここでシェフになれた!だけど、ここまで登り詰めたのは俺の手腕だ!とやかく言われる筋合いは、無い!」 バン!と裏口の戸を閉め男は料理に戻っていった。 初老の男「あぁそうですか、私の力や言葉は必要無いということですか、なら、元の世界にお戻りください。フフフ」 初老の男は独り言を言ったあと不気味に笑い消えていった。 そして、ミシュランガイドの審査員が来店し、男はこれまで以上に異常な不味さの料理を出すことにした。 男「どうぞ、牛蛙の姿焼きバルサミコ酢添えです。」 男(さぁ、この世のものとは思えない不味さに仕上がったんだ、さぁ誉めろ絶讚しろ、そして俺の金儲けの足掛かりになれ!)
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