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「果夏さんも吉野さんと一緒で、理解出来ていないみたいでした。でも、どうしても引っかかって……」
どういう事なんだ。
俺がいくら考えても理由がわかるわけもないが、考えてしまう。
「そっか……わかった。気にかけてくれてありがとな。」
「いえ、もう果夏さんとは友達なんで当たり前ですよ。それと……」
渡辺はドアノブに手を掛けてから、にっこりと俺に笑いかけた。
「私、吉野さんのこと好きでしたよ。あの1件で、一気に冷めましたけど。鈴木さんとはちゃんと向き合ってくださいね?」
「お疲れ様でした。」と、言って部屋を出ていく渡辺に俺は口をポカンと開けることしか出来なかった。
「……は?」
ひとり残された部屋に俺の間抜けな声が響いた。
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