第2話

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『そうかな。』 「心配すんなって。またなんかあったら聞いてやるから。」 なんでも聞くから…… 俺の存在を忘れないで欲しい。 俺の方がよっぽどネガティブだ。 『うん。ごめんね、いつも。』 「どーいたしまして。んじゃな。」 『またね。』 通話を終えると、ベッドに寝転がり天井を仰ぎみた。 「……誕生日おめでと。」 言えなかった祝福の言葉は、独りの部屋に虚しく響いて――消えた。
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