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沢山の裏道や小道を抜け階段を何度か登り、くるくると変わる景色を眺める。
私はこのまま何処に連れていかれるんだろう?もしこの人がカガヤの関係者でも何でもなくてただの怪しい男だとしたら私はどうするんだろう?などと様々な空想を考えているうちに、気が付けばほんの少しだけ高さのある高台の方まで来ていたようだった。
「はあ~着いた!ごめんね、疲れたでしょ?」
「ううん、このくらい全然平気」
彼は少しだけ苦しそうに息を上げて高台からの景色を眺める。
きらりと光る汗が太陽の光に反射していて、それすらも綺麗だった。
「仮にもトップアイドルの影武者でしょ?このくらいで疲れてどうすんの」
「バレた?実は昨日夜更かしちゃってさ。それより此処どう?良い場所でしょ」
「うん。ちょっと奥に進んだだけなのに、こんな高台があったんだ」
「この辺りまで来たら住宅街になるからね」
たった数回の階段を登っただけ。
そこまで高さがある場所じゃないけれど、太陽の光が当たっていてとても心地が良かった。
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