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会場に着いて席に座る。
アリーナ中央席、幼馴染の代役。
先程までの出来事が夢だったかのように周りは女の子達で埋められていて、カガヤキイの姿を待ち望む人々で溢れたドーム内は熱気で満ち溢れている。
私はその中でコートも着たままカバンを膝の上に乗せて少し前の記憶を辿る。
あの後下を向いたまま、そのまま黙り込んでしまった彼に何て言葉をかければ良いのか分からなくてーー。
私はあの高台を離れて会場へと向かった。
彼と離れるのは名残惜しい気もしたけれど、彼もきっとこの会場に来ているはず。
もう二度と会うことは無いだろうけれど同じ場所で同じ空間を共有出来るのなら、それも悪くないと思う。
メインステージとはまた別に花道の先にある中央ステージは私のすぐ目の前。
本当に良席なんだな、幼馴染に見せてあげたかったなと。
ぼんやりと心の中で考え事をしていると突然会場が暗くなった。
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