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元々音楽を聞くのが好きで邦楽ロックなどを中心にそれなりにライブには足を運んでいたのだけれども、まさか自分がドーム規模の、ましてや人気絶好調の旬のアイドルのライブを観に行くことになるとは。 アイドルにしては珍しい青色がかった髪色に端正な顔立ち、POPからR&B、ロックまで幅広く歌いこなす深い歌声。ダンスの腕も一流。ということは幼馴染から痛いほど聞いたので何となく分かる。 しかし私はアイドルには興味が無い。 普段は無造作にしているこの長髪の髪も、せっかくだからとコテアイロンで巻いてくる必要もなかったのかもしれない。周りの客層に合わせて少しでも女らしい格好でもするかと、コートやミニスカートで来たのも間違いかも。いつものようにアウター、バンドTシャツにジーンズで良かったのでは。 「とりあえず、適当に暇潰しするかあ」 カフェにでも入ろうかと慣れない道を適当に歩いて行く、土曜日の昼だというのに人気も少ない。 少し歩いてみたけれど良さそうな店も見つからないし、段々とビルの影に隠れて日当たりが悪くなり少しだけ肌寒い空気を感じる。 やはり来た道を戻って駅付近で一休みするかとUターンを決め込むために後ろを振り返った。ーーその時、
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