第1章

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〇年8月〇日 ゾンビパニックが起きてから1週間経つのに助けが来ない。 警察や自衛隊は何をしているのだ。 〇年8月〇日 家の食料が乏しくなった、近くのスーパーに貸し出している倉庫の中を覗いてみよう。 助かった。 倉庫の中には、水や缶詰などの食料品に生活必需品が大量に保管されていた。 〇年9月〇日 昨日まで供給されていた電気が途絶えている。 もっとも、家は太陽光発電があるから暫くは大丈夫だろう。 〇年10月〇日 国営放送のラジオ放送が止まった。 幾らラジオのツマミを回しても、アマチュア無線の電波さえ捕らえられない。 〇年11月〇日 ラジオ放送が無くなって1ヶ月。 最近、家の近くで同じように籠城していた人達の姿が見えない。 どうしたのだろう、何処かに移動したのだろうか。 私は此処にたった1人取り残された。 □年8月〇日 家に籠城してから今日で1年。 ゾンビパニックが起きた当初は、近所にある総合病院から溢れだしたゾンビでここら辺は埋め尽くされたが、何処かに移動したのか、最近は群れているゾンビを見かけ無くなった。 近所の偵察に出かけたいが、私のような爺が外に出たら直ぐに餌になってしまう、止めておこう。 □12月〇日 家の周りを徘徊し私の姿を見ると近寄って来るゾンビを駆除し、家の中や敷地内の掃除を終えるともうやる事が無い。 妻が亡くなってから殆ど人との付き合いを絶っていたが、たった1人生きていく事がこれほど寂しいとは思わなかった。
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