第二章 卒業

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第二章 卒業

そんなことをしているうちに、高校を卒業し、 口うるさい家族からも卒業し、 私は大学生になった。 大学生になっても、相変わらず私は本を読み漁る毎日だった。 どんな時も欠かさず本を読んだ。 移動の電車の中、家に帰ってからは食事をしながら、 お風呂の中。 疲れて目がショボショボになるまで読み続けるか、本を持ったまま寝てしまうか。 そのくらいまで毎日毎日朝から晩まで読み耽った。 もちろん、大学では文学部で純文学を専攻し、 バイトですら本屋で本や雑誌を売り、 いつでもどこでも私は本に囲まれて過ごした。 家族に怒られないで、 こんなに本が思いっきり読めるなんて、 こんな幸せあるんだ・・・なんて思いながら、日々を過ごしていた。  しかし、この生活になってから幾つか変わったことがあった。 それは、あの家を出て一人暮らしをするようになったこと。 もう幼い頃のように隠れる場所も隠してくれる家族も居らず、 人見知りなんかしている場合ではなくなったということ。 もう私はどこに行っても、半人前ではあるが、 ほぼ大人として扱われるのだ。 大学でも始めのうちは ただ幼いころからのように物語の中に生きていればいいと思っていたが、 そんなに世間は甘くない。 ずかずかと私の中に世間の人々は入り込んでくる。
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