第3章 大学生活

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第3章 大学生活

 私たちはそんな出会い方をし、大学で起きる二人で幾多の試練を乗り越えてきた。  今すぐに思い出せるのは、ほのかがレジュメの提出を後回しにしていた時のこと。 バイトやら個人的な用事が忙しかったようで、レジュメなんて後回しのほのか。 あんなに口を酸っぱくして「間に合わないよ!」と言ったのに、 聞き入れる様子もなく、締め切りの前日、 ほのかはこう言った。 「ねぇ、斎藤先生のレジュメって来週だっけ?」 「え?もしかして・・・やってないの?」 「・・・うん。」 「えーーー!!明日だよ!!!」 「まじ?」 提出期限に間に合っている私が焦って、全く焦っていない冷静なほのか。 「まあ、終わるでしょ。」 と、笑いながら能天気に言うが、 斎藤先生の講義のレジュメが一番苦労する生徒が多いのをほのかは知らないのか・・・。 採点も厳しく、課題も難しいのだ。 それなのにもかかわらず、本当に能天気なんだから・・・。 そんなことを思いながら、結局なんだかんだ文句言いながら、 ほのかに付き合って、 その日は図書館に一日居座り、必要な資料を見つけてあげたり、 アドバイスしたりして、 なんとか提出する期限までになんとか間に合った。  ほのかのことばかりだが、ほのかはどうやら昔から寝坊癖があり、 朝の講義は起きられないことが多い。遅刻は当たり前で、欠席も多め。 なのに、一限は必須科目の英語。単位が取れないかもしれないというほのかのために何度、出席カードを書いてあげたことか。 私はほのかの弱みを握ったとばかりに困ったときはその話をするようにしている。  そんな楽しくて刺激のある大学生活が繰り返し続いていく日々の中、 実は私にはもっともっと大きな変化があった。 食堂でいつものように大好きな塩ラーメンを食べていた私をこんな声が襲った。 「ねえ、それは恋なんじゃない?」 と大きい声でほのかは私に話しかけた。 食べていたラーメンを吹き出しそうなくらい大きな声だった。 「やめてよ。そんな大きな声で。丸聞こえだよ。」と私は返した。 何故、こんな会話が繰り広げられているかというと、 バイト先であったことを正直にほのかに話したのだ。
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