[芹香編] 第7章 芹香side

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そのまま昂さんは、 このホテルの近くにある整体院で マッサージを受けて来ると言い。 私は私で、由布ちゃんの披露宴に向かう。 「じゃあ、芹香。 終ったら電話してくれ、迎えに来るから」 「はあい」 …ほんとにあの人は。 最近、寂しがり屋で困る。 こんなことで、父親になったら どうするつもりなんだろうか。 子供と2人で私を奪い合うんじゃない? 「…ねえ、甘えん坊なパパだよねえ」 お腹をさすりながら、私は囁く。 まだそんなに目立たないけど、 これで3カ月に入ったところなのだと。 それが分かったのが一昨日のことで、 まだ兄や両親にも報告していない。 きっと大喜びしてくれるだろうな。 ブブブとスマホが震えた。 見ると昂さんからLINEメッセージで、 こう書かれている。 >ゴメン!もう我慢出来なくて、 >西村さんと華子ちゃんに妊娠報告した。 安定期まで待てと言ったのに。 浮かれすぎだよ、もう。 怒っていますという意味の スタンプを送信し、 それから披露宴会場に入り、 うっとりと微笑む。 ああ、どうしよう。 とんでもなく幸せだ。 妊娠を伝えたときの彼の顔。 『生きてて良かった』と昂さんは言った。 『ありがとう』と昂さんは言った。
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