[芹香編] 第7章 芹香side

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…… 1週間後。 「けむーい、とにかく煙いッ。 ねえ、なんで冬に焼き肉なんかすんの? 寒いから窓も開けられないし、 見てッ、心なしか床がギロギロ」 「うるさいよ、華子。 ちょ、もう!なんでコゲた肉ばかり 俺の皿に入れるんだよッ」 「昂さん?ねえ、昂さんったら、 そこにTVのリモコン置かないでよ。 油が飛んで汚れちゃうから」 「芹香、俺のビールもう1本持ってきて」 あれから毎日が賑やかで、 楽しくて、幸せで。 夢のような時間が過ぎた。 「…ふう。もうこれ以上食べられないッ」 「あ、華子。 すぐに使うものは手持ちで移動しろよ」 …でも、夢はいつか終わるのだ。 「本当に2人とも出て行っちゃうんだね」 「ぐふふ、これで芹香さんたちも堂々と イチャつけるでしょ?」 「うふっ。華子ちゃんたちもね」 「な、なんで知ってるの?!」 「なんかもう、見たら分かるよ。 既に恋人同士の雰囲気になってるし、 しかも『和哉』とか呼んじゃってさ」 「そ、そっかあ。さすが芹香さんだな」 この昼食が終わったら、 西村さんと華子ちゃんはココを出て行く。
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