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「須崎さん、寂しがり屋なんだよ。
一人娘が名古屋に嫁いじゃって。
なんかねえ、
その直後くらいに寂しくて寂しくて、
死のうかと思ったって」
食器を拭いていた手が止まる。
そんな重い話を、そんなサラッと…。
苦笑いする私に、華子ちゃんは続ける。
「やだ芹香さん。
誰でも一度は死にたいと考えるってば。
逆にそれが人間ってモノだよ?
須崎さんなんか、
今年67歳だって。
そんな長く生きていれば、
1回しか考えなかったって方が、
私は偉いと思うけどな」
…この子は。
たった17年しか生きていないのに、
なぜこんなに人の痛みが分かるのだろうか。
てへへと笑って華子ちゃんは言った。
「なあんてね。
ウチの実家、いろんな人が集まって、
しょっちゅう酒盛りしてるでしょ?
昔はそこで大人しく座ってたから、
皆んなの話を聞かされてたんだよ。
自分1人で経験することは限られるけど、
たくさんの人と話をすれば、
その経験をその人数分、教えて貰える。
当時はイヤイヤだったけど、
今となれば、有り難いことだったと思う。
だから芹香さんも、
近所付き合いをしてみたら?
面倒なことも多いけど、
得ることも多いよ」
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