[芹香編] 第7章 芹香side

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…… 半年後。 「きゃ、もうこんな時間? 昂さん!背中のファスナーをお願い」 「落ち着けって芹香。 まだまだ時間は余裕だから」 「だって花嫁は感情が高ぶって、 話し相手が欲しくなるモノなんだよッ」 「いや、それは一般人の考えだし。 新郎があの涼介さんなんだぞ? きっとドレス姿の由布ちゃんに発情して、 ヤッてるかもしんないって、今頃」 『そんな下衆な考え、大嫌い!』 …そう怒った1時間後。 花嫁の控室に入って私は確信した。 これはたぶん、事後だな。 なぜなら涼介さんの唇に真っ赤な口紅が。 心なしか、2人の呼吸も荒い。 き、気まずい。 早く来過ぎた私が悪いの?? 「ていうか、なんで新郎が花嫁控室に?」 私の問いに、 由布ちゃんは困り顔で答える。 「でしょ~。 出てけと言っても、出て行かないのよ。 なんかもう付き纏われちゃって。 ヘアメイクさんも呆れて、 30分だけ2人きりにしてくれるって」 そっか。 じゃあ私も気を利かせないとね。 適当に話を切り上げ、私も控室を出た。
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