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次に目が覚めた時、あたたかいベッドの中にいた。白いシーツ、柔らかい布団、ちょうどいい高さの枕。
顔を横に向ければ、こじんまりとした机と椅子、小さな電灯、カーテンが続いている。
「俺……」
記憶を遡る。そう、家出をしようとして、一人町中へとでかけた。気付いたら隣町にまで来ていて、天気は最悪で、凍え死ぬんだと思った。そこで助けてくれた人がいた。いや、人たち、か。確か二人いた。
そうやっていると、ドアをノックする音が響いた。反射的に、
「はい」
と上ずった小さな声で返事をする。それを合図にドアがあけられ、青年が顔を見せた。
「起きてた?」
そうして彼は、カラスのような真っ黒の髪をサラリとゆらす。黒い瞳はにこやかに微笑んだ。
「……さっき」
「そう。二時間くらいかな、君が寝てたの」
「……ありがとうございます。助けてくれて」
「気にしないで。困ったときはお互い様だよ」
そう話しながら、椅子をベッドの横へと引きずってくると座った。
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