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「気に入ってくれたみたいだな。じゃあそろそろ寝るか、裕人!」
「うん。」
そう言うと裕也はすぐに眠りについた。
僕はただ目を閉じて時間が過ぎるのを待った。
寂しさなんて全く無くて、朝の訪れを待ち遠しく感じる。
そんなわくわくした心とは裏腹に僕は身体を起こし部屋を後にしていた。
なぜだろう。
裕也と一緒に居てはいけない、そんな気がした。
外はまだ薄暗く寒空の下活動している生物は僕一人だけみたいだ。
尤も僕が生物に分類されるのかどうかもわからないけど。
今歩いてる僕は泣いているのかな?
きっと泣いている。
でもそれは裕也にしかわからない。
僕は今日も裕也と出会わなかった日々と同じ1日を繰り返す。
部屋に差す朝日に裕也は起こされた。
「ふあーあ、よく寝た。まだこんな時間か。裕人を起こしちゃ悪いよな・・・。」
隣で寝ていた裕人の様子を覗こうとそっと布団を捲ったがそこには誰もいなかった。
「ん?裕人?」
裕也は立ち上がりトイレや風呂の中を見に行ったが裕人はどこにもいなかった。
「裕人・・・!」
胸騒ぎがした。
裕人はこれまで一人ぼっちだったらしい。
詳しい話は知らないが俺がなんとかしないと裕人は幸せにはなれない。
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