壱章 借の屋敷

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傍観者side 少女は眠っている少年に近づいた それから少しの間少年を見ていた そして少女はゆっくりと口を開いた それは(うた)だった 詞のない唄だった 唄が部屋の中に響く すると突然眠っている少年が光だす そしてだんだん光が弱まり消えると そこには傷や汚れの一切ない少年がいた さっきまで怪我や血や土などで汚れていたとは思えないほどだ それを見て少女は笑おうとした しかし笑えなかった 正確にいうなら表情が`なくなった´ 「ああ…今回は表情か」 少女は慌てることなくただそう呟いた それもそうだろう。だって今回がはじめてではないのだから なぜ表情がなくなり、それが今回がはじめてではないのか
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