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「学級委員、そんなに嫌か」 学級委員、その言葉が聞こえると同時に、鼓動が早くなるのを感じた。 「いや、そういう、わけじゃ」 「じゃああの点数はなんだ。64点だぞ。ふざけているのか」 ババロアの言葉に、知らない棘が見えた。勢いよく僕の心に突き刺さって、ズキズキと痛い。心なしか、ババロアも苦しそうだった。 「いや、そういう、わけでも」 手をギュッと握り締めて、唇を思い切り噛んだ。 そうしないと、何かが僕の内側から溢れてしまいそうだったから。 「まあ、今日はいい。家に帰って、また明日職員室に来い。……それと、ちゃんと鏡見て、身だしなみを確認していけ」 大きなため息をついて、ババロアが言う。 そこで初めて、僕は自分が泣いていることに気付いた。 慌てて手で拭い、「失礼します」と告げ、駆け足で職員室を後にした。 それが優しさだったのか、それとも別の何かだったのか、理解できるほどに僕はババロアを知ってはいなかった。
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