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王子が消えるのを最後まで見届け、急ぎ学校へ向かう仕事人の足を地中から生えた手が掴む。
今度はホラー?
よく見ると、腕は消えずに残っていた魔法陣から。
さらに消えたはずの王子の顔まで出てきている。
ホラーより怖いよ。
王子の執念?!
「……っ!放せ馬鹿っ!!」
さすがに仕事人も青ざめ、容赦なく王子の顔面を力の限りで足蹴にしている。
「新、僕をひとりにしないでよ。僕たち親友でしょう?」
「ふざけるなっ」
怖っ!
王子、まじ怖っ!!
突如始まった第二ラウンド。
結果、そこに誰もいなくなった。
ドンマイ、仕事人。
魔法陣も消え、残されたおれは予想された面倒事が減ったことに珍しく浮かれていた。
だから足元の起きた異変に気づけなかった。
無防備なおれの下に魔法陣が、黒く光り現れているのを。
一瞬でのみ込まれたその時も。
そして本当に、誰もいなくなった。
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