神と……

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創世神からの説明を要約するとこうだ。 「つまり、勇気のことを気に入った世界神が望み通り俺を転生させるが、オマケの俺はあくまで同じ世界にいるだけ。アフターケアいっさいなし。あんたに呼ばれなければ情報もないまま放置され、最悪転生後すぐに襲われ死んでいた。と」 「はい」 「……許さねえ」 「新?」 創世神が不審がり、若干引いていたが関係ない。 勇気はもちろん、俺の中でビッチが確定した世界神も同罪だ。勇気は必ず一発は殴る。 「それで、俺はこれからどうなる?」 「私が可能な限りご希望の加護を与え、安全が確保された場所へ改めて転生してもらいます」 なんとか気を落ち着かせ、話を戻す。 創世神も安心した様子ですぐに応じる。変に詮索されなくて助かった。 俺が望むものねぇ。 「まず、異世界の知識。無限の魔力に全属性。もちろん基本、特殊関係なく。最後に……」 最後の望みだけ不思議がっていたが、結果、創世神は俺の希望をすべて叶えてくれた。 転生後、真っ先に俺がしたいことに対し外せないポイントだ。 「お友達が役目を終えた時、君も一緒に地球へ還ることになるでしょう。君たちが消えた同じ時、同じ場所に」 転生するために用意された扉の前で告げられる内容に勇気への憤りが再発する。 どこまで勇気に振り回されなければいけない?! 始めも終わりもアイツ次第。認めねぇ。 「帰還の解除はできないのか?」 「可能です。ただし、二度と地球へ還ることができなくなりますが」 普通なら究極の選択だろう。 ただ俺の場合、家族をすでに亡くし、勇気に振り回され続ける生活に未練はない。 「また、その時考えることにする」 「そうですか」 まだ始まってもいない異世界での生活と比べることもできず、一旦保留にする。 どことなく創世神の声が冷たく感じたが、もともと事務的な対応だったから気のせいかもしれない。 その後、希望通りの『誰もいなくて好きに暴れても問題ない場所』へ無事転生し、修行を始めた俺は知らなかった。 俺が消えた扉の前で創世神が自身を振り返り、「大人気なかった。彼も被害者なのに」と、反省し謝罪していたのを。
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