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いつもと同じ時間、同じ道を通り、名を知らない見慣れた人たちとすれ違っていく。
あと数歩先の角を曲がれば通い慣れた校舎も見えてくる。
が、ここで速くない足を更におれは緩めるた。
だって、この先おれ限定の危険区域だ。
高校入学とほぼ同時にヤツらに目を付けられ、それ以来毎朝、待ち伏せされている。
こちらの事情などお構いなしにヤツらは集団でおれを囲み、自分たちが満足するまで玩具にし、解放することをしない。
今日もか、とため息をひとつ。踏み出した先に、
ヤツらはいなかった。
助かっ、た?
わけもなく、背中にくる衝撃。足元を強く後ろに引かれ顔が自然と地面に近づいていく。
この時決まったひとつの未来。
おれ、大神朋也。
今日も遅刻です。
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