プロローグ

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いつの間にか身についた受け身で直撃は免れたものの、やはり痛い。 おれが動かないことに気をよくしたヤツらは思い思いの攻撃を仕掛けてくる。 叩く、殴る、体当たり。中には噛む、なんてヤツも出てくる。 以前は抵抗や反撃も考えたこともあった。 実際にもした。 しかし、ヤツらはそれすらも楽しむ。 抵抗する程ヤツらは勢いを増し、おれが解放されるまでの時間が延びた。 無抵抗でただ耐える。 これが最短で解放される方法。 気まぐれなヤツらは飽きも早い。 今日も直に解放されるだろう。 今だに続く攻撃を受けながら、学校で待ち受ける反省文について考える。 ここで暗唱しろと言われたら、一言一句間違えることなく言えるだろう。それ程に書かされた事務作業。 形式だけで書かされる意味のない作業が嫌いだ。 憂鬱な気分でいると、いつもと違うことが起こった。
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