プロローグ

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突然ヤツらの動きが止まる。 しかし、おれから離れないことから、満足したわけではないらしい。 僅かに首を捻り様子を窺えば、ヤツらの視線の先にふたつの影。 「君っ、大丈夫?!」 「あははっ、……お前すげぇな」 影の先から声がかかる。 ひとつは心配そうに。 ひとつは驚き呆れつつも確実に面白がっていた。 「ちょっと新、何笑ってるのっ。彼を助けないと」 「いや、でもさ、勇気。こんなのなかなか見れないぜ?」 心配してくれる『ゆうき』さん?には悪いがおれも逆の立場なら、もう一人の『あらた』さん寄りだな。 だって…… 全身が隠れる程、周りに群がる猫たちに無抵抗な高校生男子なんていないよ、……普通。 ちなみに、猫たちはじゃれてるだけだから攻撃も大した威力ないんだよね。 噛んできたのも甘噛みだったし。
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