プロローグ

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おれだって、中学の初め頃に成長が止まらなければ…… 学年が上がる毎に前から数えた方が早くなっていく背の順。 当時は地味にショックだったな。 腰に手をあてなくて済んだのがせめてもの救いか。 って、いかんいかん。 思考がそれた。 今だ王子は猫に威嚇され、仕事人は静観。 おれを囲う猫たちは各々好きにくつろいでいる。 ん? 満足するまでじゃれつけば帰るヤツらが帰らない? あれ、もしかして王子から守られてる?! 王子の知らないところで立場が逆転してる。 ということは、王子が消えれば即解放? なら、王子の説得をもう一度。 「もう……大、丈夫だから。さ」 「大丈夫っ。無理しなくていいから。僕たちに任せて」 無理ぃ! ただでさえ人に向けて話すのが苦手なのに、最後まで話を聞けない奴の説得なんて、 っ絶対無理ぃ!!
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