639人が本棚に入れています
本棚に追加
離れていく二人に、猫たちもおれから離れていった。
ひとりになったおれは起き上がり、動けずにいる。
どうしよう。
学校に行きたくない。
あの王子の様子だと、勝手に心配しておれを探しにクラスまで来そうだ。
それに加え、二人も遅刻になっていたら、さっきまでの出来事を正直に話すだろうな。王子は。
そしたら原因がおれだと学校中に知れ渡り、よくて嫌がらせ。
普通にいじめが始まるかな、女子を中心として。
面倒い。
嫌がらせやいじめは些細なことだ。
人間以外からしか好かれないおれにとって。
ただ、後処理が面倒い。
一日に何度も掃除や洗濯をしたくない。
かといって、放置もできないし。
今日サボっても一日延びるだけだろうなぁ。
初対面だったけど仕事人がフォローしてくれてるかもしれないし、
「……行こう」
急がずゆっくり足を踏み出した。
最初のコメントを投稿しよう!