プロローグ

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離れていく二人に、猫たちもおれから離れていった。 ひとりになったおれは起き上がり、動けずにいる。 どうしよう。 学校に行きたくない。 あの王子の様子だと、勝手に心配しておれを探しにクラスまで来そうだ。 それに加え、二人も遅刻になっていたら、さっきまでの出来事を正直に話すだろうな。王子は。 そしたら原因がおれだと学校中に知れ渡り、よくて嫌がらせ。 普通にいじめが始まるかな、女子を中心として。 面倒い。 嫌がらせやいじめは些細なことだ。 人間以外からしか好かれないおれにとって。 ただ、後処理が面倒い。 一日に何度も掃除や洗濯をしたくない。 かといって、放置もできないし。 今日サボっても一日延びるだけだろうなぁ。 初対面だったけど仕事人がフォローしてくれてるかもしれないし、 「……行こう」 急がずゆっくり足を踏み出した。
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