漆黒の闇の中で

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【海王星空域】 新暦0189年 人類が宇宙に進出して半世紀が経とうとしている。 地球環境の悪化に伴い、資源の枯渇が始まり、国同士の争いが起こり世界情勢は 悪化の一途となった。 国同士に軋轢が生まれ、宇宙計画よりも自国の防衛を進めていき宇宙開発が遠のいていった。 そんな中、外宇宙から人類に送られた巨大な箱舟(巨大宇宙船)が届いた。 その箱舟には地球上の全ての言語に対応した有機生命コンピュターが積んであり様々な技術が詰まっていた。 箱舟は、数十億光年彼方のマーベルランド星系より送られたもので、かって送られた地球の通信を受けて送られてきたものだった 外宇宙より送られた箱舟には、宇宙空間でのエネルギー問題を解決するBN粒子(ビーエヌ)や粒子を使った宇宙航海用の技術が詰め込まれていた。 それと、外宇宙には各々の文明を破壊する侵略生命群「ゾウナ」についての情報がもたらされた。 地球は、その技術を使い環境問題の解決と、地球外生命体の存在と、人類に仇をなす 生命体に対して防衛を行う必要が生じた。 しかし、混乱した世界がさらに深い混沌に向かうことを恐れた各国は、ゾウナの情報については隠蔽し、表向きは外宇宙の調査という形とし、箱舟の有意義な情報のみ世界に伝えた。 有機生命コンピュータ(ワギャン)と各国の科学者が集まり、BN粒子を軍事応用 した、外宇宙探査組織、マーベルランド機関が設立され、数十年の間に宇宙艦艇と調査船が建造された。 BN粒子は、宇宙空間に豊富に存在する粒子であり、中世にあったエーテル理論に似ている粒子であると考えらた。 BN粒子の応用機関は核エンジンよりも安全で、推進力の優れたエンジンであり、宇宙空間から無限に取れる事から枯渇しないエネルギーとして喜ばれた。 また通信機関として光速通信が可能となり亜空間航法も可能となったことから、光速を超えた探索が可能となった。 それは、有機生命コンピュターのワギャンの力によるものが大きかった。 人類は禁断の果実を得た事により、飛躍的に宇宙に進出していった。 初の外宇宙探査船団が海王星周辺に到達した事により、人類は太陽系外の世界を体験した。 だか同時に外宇宙からの生命体との初めての遭遇となり、初めての開戦となり、そして人類は大敗を経験する事となる。 後に第一次遭遇戦と言われた戦いは、人類にとって大きな傷跡を残す事となった。
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