漆黒の闇の中で

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外宇宙探査船団は、探査目的の武装が施されていない全長150Mの探査船とマーベルランド機関でBN粒子の技術を搭載した全長500M級の白銀で優雅なフォルムの旗艦である プリンセスセリアと200M級の巡洋艦クラウンベリーと同規模の駆逐艦であるサザンクロスで構成されていた。 地球に送られる映像はプリンセスセリアから射出された映像艇から配信されていた。 『我々が、遠き彼方から送られた箱舟によってもたらされた技術より、母なる太陽系を抜けて今、新世界に進もうとしている、これも遥か彼方の同胞であるマーベルランド星団の力と我々人類の英知の力と考える』 プリンセスセリアにブリッジからの映像で、恰幅の良い白人のミュラー艦長が自慢の白髭を 触りながら、満面の笑みで演説をしていた。 ブリッジ内は、大きな白亜の床が広がり、従来の重々しい機器は、小型化されており、ブリッジには見えない作りであった。 全面の宇宙空間を可視化したモニターには、地球側からの歓喜の映像が映し出され、メインの全面モニターと重なりあって映し出されている。 従来の洋上船の機械的なブリッジとは想像できない空間である。 ブリッジに、その演説に答える、船員の歓喜の声が上がる。 前方には漆黒の宇宙と煌く星々が映し出されていたが、モニターにノイズの様なものが走ると 艦内に、プリンセスセリアの中枢システムであるワギャンから通信が入る。 プリンセスセリアは、箱舟がもたらした有機生命コンピューターであるワギャンを培養 し、地球本体に株をプリンセスセリアには根にあたる、コピー体を移植し、地球との通信から艦の運行維持や各船団のコントロール機能を備えている。 ワギャンはまるで老練な執事の様な、柔らかな落ち着いた声で話した。
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