深淵たる宇宙と協奏曲

漆黒の闇の中で

『艦長、演説の所申し訳ありません、センサー反応はありませんが、光速レザーソナーが空間の歪を確認しました、センサー系の故障かもしれません、通常の重力崩壊現象である可能性と類似反応としては侵略生命体であるゾウナの転移にともなう重力場の形成である可能性があります・・・』

『ありがとう、最新鋭戦闘機のソルバウで重力場周辺の探査をしたほうが良いな・・・Mrクルール、どうかな？』

『わかりました、すぐに手配いたします』
モニターに初老の紳士の姿が映り、敬礼をした。

白銀の戦闘機のソルバウ編隊が漆黒の空間にBN粒子特有の青白い光を鱗粉の様に閃きさせ
ながら宇宙空間の中に消えていった。

『何だこれは・・・大きな・・・虫の様な・・・・・巨大な・・・回避できない・・・これは・・・・』
雑音交じりにソルバウのパイロットの通信が艦内に響くその直後にソルバウ編隊が進んだ先に赤い火球が多数見えた。

その後通信が切れると、艦内に警告音が聞こえ、館内が慌ただしくなると、ブリッジの全面モニターに無数の火線が見えた。
モニターの画像が乱れはじめ、大きな爆音が聞こえる。
船員の叫び声や、警告音が入り混じる。
『ソルバウを全機射出、クラウンベリーのサザンクロスを前面に・・・・探査船は後方から離脱・・・・・長長距離砲（レールガン）発射準備・・・・・』

『後方から・・・・・・探査艦・・・５番・・・６番・・轟沈・・・！！』
『サザンクロス・・・・・敵生命艦の強襲を受けています・・・・・大破！！』
その後、大きな赤い光に包まれて、映像が乱れ爆音が聞こえるとともに、映像が消えた。
プリンセスセリアのワギャンの最後の通信から、艦隊は映像が切れた後、数分で全滅した
とされた。

解析された記録から、侵略生命体である中規模のゾウナの複数の移重力転移による、奇襲攻撃により、外宇宙探査船団は壊滅、旗艦プリンセスセリアはゾウナを数艦撃破したとされるが、最後は特攻を行い轟沈したという情報がマーベルランド機関か発表された。
その為、ゾウナ群もダメージを受け活動が停滞したとされた。