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「うん、今日もまゆっちの作ったご飯が美味しい」
僕が魔術師の作った料理を褒めると、
「ほんと?
良かった」
魔術師は嬉しそうに笑った
「さすが料理人の娘」
「ふふ、お父さんの血をちゃんと受け継いだみたい」
「そういえば、まゆっちのお父さん元気?
この前手紙送ってたよね」
「うん、返信が来てね、元気で仕事に励んでるって」
「そっか、良かった」
「あと、たまにはゆうちゃん連れて帰って来いって書いてあったよ」
「帰りたいけど、ちょっと帝都からだと村までは遠いからなぁ」
「なかなか難しいよね」
魔術師は肩を落とした
「夏頃になったら休暇取って帰ろっか
久しぶりにまゆっちのお父さんの料理食べたいし」
「うん」
魔術師は再び笑顔を見せた
朝食後、
「じゃあ、そろそろ行こうか」
「あ、ちょっと待ってゆうちゃん
ネクタイが曲がってるから直してあげる」
席から立ち上がると魔術師がこちらに来た
「これでよし
それじゃあ行こ」
コートを着てから制帽を被り、僕と魔術師は2人で住んでいる集合住宅を出て、僕達の勤務先である軍司令部に向かった
「もう春なのに、朝はまだまだ冷えるね」
僕は隣を歩く魔術師に話しかけた
「うん、早くもっと暖かくなって欲しい」
魔術師は手に息を吐きかけた
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