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友人らしき男が撮影者――パックマンの家を訪ねると、シチューがふるまわれる。
友人が、シチューがうまいと言うと、特別な肉を隠し味に使っているから見てみるかとパックマンに言われ、鍋のふたを開けると、煮崩れた人の頭部がおさまっていた。
友人は悲鳴をあげてたおれこみ、失禁する。
パックマンは床に人間の目玉を並べていき、それをゲームのパックマンのように食べて家の外までたどりつけたら助けることを考えてもいいと言って笑う。
友人は今にも倒れそうな蒼白の顔を苦痛に歪めながら目玉の一つを口にし、しばらく口をあけたままでいたが、意を決するように噛み締める。
そうして三つほどを口にした時、飲み下そうと口の動きを止めたが、飲み下せずに目玉と共に胃の内容物を吐き下す。
友人はより青ざめてパックマンを見るが、パックマンは笑ったのか、息をもらすような音がする。
映像はそこで途切れた。
梓が青ざめて杉浦を見ると、杉浦はノートパソコンの画面を自分にも見えるようにして映像を見かえしながら言った。
「この十数人分にもなる目玉は、パックマン自身が殺した人間のものなのか、はたまた、星華教のような、人肉を売り出している組織から手に入れたものなのかは解らないが、どちらにしても、人の道を大きくはずれたことをしているのは確かだ。少なくとも、この動画に映っている人物はもうこの世にいないだろう。ここにいるからな」
「えっ!?」
梓がぎょっとしてあたりを見回すと、杉浦はそれにはかまわずに情報収集を始めた。
秘められた情報を読みとるために新聞を読みはじめたのである。
「東亜仁徳大学」
杉浦はそうつぶやいて立ち上がり、荷物をまとめて出かける準備を始める。
梓もそれにならって身支度をする。
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