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まず、二年一組、成績が学年トップの紀井翔太(きいしょうた)。
無口で鋭い眼つきをした、他を寄せつけないタイプの人間だが、同級生に頼まれれば勉強を教えたりすることもあり、そういう一面を知る者の間では慕われている。
そして、生徒会長の、二年三組三笠十海(みかさとうみ)
普段は冷静沈着に物事にあたりながらも姐御肌の一面もあり、彼女を慕う者は多い。
梓はこの二人に絞ったわけだが、人を自殺に追い込むということをなす人格は、生まれついてのものであるのかどうかは気にかかるところだった。
もしも、まわりの大人たちの言動が犯人を死神にしたてあげてしまったのなら、犯人自身も被害者と言えるのではないか。
「塚本美樹さん」
突然の声に振り返ると、そこには三笠十海の姿があった。
塚本美樹とは梓のここでの名前だ。
「何ですか?」
梓は上ずった声でそう尋ねる。
「友達はできた?」
「あ、いえ…」
「私が友達の第一号になってもいいかしら?私、他学年のひとたちともつながりがあるから、二学年に気の合う子がいなかったりしたら紹介とかできるし、何か困ったことがあったら私に相談してね」
十海はそう言って笑顔して自分の教室に戻っていった。
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