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いつものようにそこに座って空を見ながらコーヒーを味わう。心地よい日差しと、コーヒーの匂いと味わいが俺を癒してくれた。少し狭いがここが家で一番落ち着く場所かもしれない。
「平和だね・・・」
そんな俺が空を見上げて現実逃避していると・・空に違和感を見つける。
「うん?・・なんだろう・・あれ・・」
最初はそれは白い点だった。しかし紙に水を垂らしてシミが広がっていくようにそれはジュワジュワと広がりを見せて大きくなっていく。
かなり大きくなったその白いモヤモヤを見つめていると、その中に影が現れた。その影もどんどん大きくなっていく・・いや・・違う・・どんどん俺に近づいてきてるんだ・・そう思った瞬間、身体中に衝撃が走る。
「うぎゃーー!」
強烈な痛みで目の前が真っ白になる。何が起こったかしばらく分からなかったが、どうやら何かが俺の上に落ちてきたみたいだ。
痛みをこらえながらその落ちてきた物体を見て言葉を失う・・
「女の人?」
それは女性だった。それも髪の色が金色・・外人か・・?
いや・・ちょっと待てよ・・この人どこかで見たことあるな・・
彼女の被っている羽の付いた兜に見覚えがある・・そして金色の三つ編み・・なるほど・・大分昔のゲームのキャラクターだ・・確かワルキューレ・・
「しかし・・完成度の高いコスプレだな・・この剣なんてどっからどう見ても本物に見えるよ・・」
そこで俺はお手製のロッキングチェアーが無残にも粉砕しているのに気がついた。
「う・・二週間もかかって作った俺のお気に入りが・・」
無残にも粉々になった椅子の破片を見て泣きそうになった。しかし倒れている女性をこのままにしておくわけにはいかず、気を失っていた彼女を自分のベットまで運んだ。
「さて・・どうするか・・救急車を呼ぶべきだよな・・だけど・・この状況をどう説明すればいいんだ・・空から降ってきて気を失ったとか言えばいいのかな・・」
ベットの横を何度も往復しながら考えていると・・何やら視線を感じる。
いや・・視線なって生易しいものじゃないな・・これは殺気と呼ばれるものじゃないのだろうか・・
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