2年D組 落ちこぼれの長谷川 隆聖

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そして、僕達に対する差別は他にもまだあった。それは学校に来て教室に入ってから。普通の学校であればみんな挨拶をしあったり他愛もない話をするのだろうが、僕達のクラスはそんなことさえも許されないのだ。基本、昼休み以外は私語を禁止とし、実技、または頭脳の向上に励むこととされている。 そんなこともあってか僕達D組にはそんな生活から逃れるために『下克上』を果たそうとするものがあとを立たない。だが、そんな簡単に行くわけもなく、いつも帰ってきた生徒達は全治三ヶ月にも及ぶ大怪我をさせられているか、余りにも屈辱的な対応をされ、この学校にさえも戻らない。つまり、退学する生徒もいる。 だから僕は、今はそんなことしようとは思わない、僕の心の中にはいつもあいつ…いや、神崎 靖斗という、僕の唯一の親友がいる。そんな靖斗は言うまでもなくS組なわけだが… また、前の時みたいに仲良くしたい。だけど、返り討ちにあってもう二度と会えなくなるようなことになるのは御免だ。だから、僕はその準備ができるまで、我慢しなくちゃならないんだ。
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