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怖かった。
男の力があんなにも強くて全然抵抗にならなかったなんて。
逃げ切れるなんて甘かったなんて。
―――千嘉が来てくれなかったら
わたしは―――
「……みるく…」
ふわっ
何かに包まれて顔をあげた。
「無事でよかった」
「……千嘉」
息が荒い胸がわたしの土だらけの体を抱き締めた。
その腕の中は温かかった―――
『あんたとはもしかしたら縁があるのかもしれねえな』
【みるくの恋・完】
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