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「亜沙」
ずっと触れられてない体の奥まで届くようなキスを贈られて視界がボヤけてきて喉から熱いものが込み上げた。
「今まで待たせて」
「……ううん」
嬉しい。
章広さんがわたしをちゃんと見ててくれてた。
わたしの気持ちを知っててくれた。
もう、それだけで。
それだけで―――いい
十分章広さんの気持ちは届いたから……
「浴衣、着せてくれますか?」
わたしを抱き締める腕がそっと小さな声で囁いた―――
【五年目の花火・完】
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