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ぼくはタマと遊びたかったので、つい出来心で野里くんのお母さんのあとを追いかける。
丸美○の裏手には大きな倉庫があった。
ぼくは中を覗く。
「あっ……!?」
ぼくは声を失ってしまった。
そこでは大きな鳥が、大きなタマゴを産んでいた。
(あれが……フリカケの材料なんだな)
そして奥を見た。
「あれは……!?!」
ぼくは急にすべてがわかった。
黒猫のタマが何年も小さいままなのが不思議だった。
でもタマは1匹じゃなかったんだよ。
そこには何匹もの黒い仔猫がいた。
(あれは何をしているんだろう?)
ミャーミャーと鳴く仔猫を大きな鍋に入れている。
「布里鹿くん……見たね」
急に声をかけられて心臓がドキッとした。
「あ、あれは何をしているの……?」
フリカケの材料は、大きな鳥のタマゴと、黒い海苔だけど……。
「ぼくがフリカケを食べない理由がわかったろ?」
野里くんがポツリと言った。
──のりタマ 終わり。
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