第3話 瞳がはなしかけてくる

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 その頃生物実験室では、六条兄弟が帰る準備をしていた。 「あ、17時過ぎてる。逃げた仮面、家に転送しないと」  倉芳が思い立ったようにそう言った。 「何で15時から17時まで仮面は動き出しちゃうのかな」  浄美がつぶやいた。 「仕方ないだろ。転送するのめんどくさいけどな」  そう返した倉芳は、そこにあった机に肘をつき、口のところで両人差し指で「×」の字を作ると、なにやらぶつぶつと唱え始めた。 「神無祝甲斐独楚罷人男……」 「早くしてよ、今日スーパー行かなきゃなのに」
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